Iori Wakasaの新たなる挑戦、“BOTANICA”

東京シーンの次世代をリードするアーティスト、Iori Wakasaが新しいレーベル“BOTANICA”を立ち上げ、その初となる作品“BOTANICA EP”を発表する。ここでは、このレーベル設立の背景や、楽曲の特徴、アートワークの意味を探る。

MIXMAG JAPAN
30 August 2023

東京を中心に活動するDJ/ProducerのIori Wakasaは、15年以上のキャリアを通じて多くのレーベルとタッグを組んできた。しかし、彼の真の感性を反映するレーベルとの完全なマッチはなかなか難しく、そのため彼は自らのレーベルを設立するに至った。

BOTANICAは「“自然” と“ 人工物・人間の営み” の感覚の融合」「聴く人それぞれの視点で景色が見える音楽を提供する」というメインコンセプトに基づき、音楽の新しいインターフェースとして、Iori Wakasaの音楽に対する期待と情熱を形にする。

“BOTANICA EP”に収録される2つのトラックは、彼の独特の世界観を音で表現し、“The Pure Land”は 日本語で「極楽浄土」や英語の「utopia」や「paradise」の意味を持ち、レイヤーされていくリズムと柔らかな粒子が織り成す空間的なサウンドデザインにより、ヒプノティックかつ心地よい陶酔感を呼び起こし、プライマルな自己回帰をイメージして造形された音楽作品である。

対して、“Lunar Down”では、月の出から月の入までの長い時間のなかで、特に月が天頂から沈むときに起こる人間の心境の変化を表現しており、質感のあるベースラインとリズムトラック全体の中で時折脳内に響くようなボイスサンプルによって、ダンスフロアに強烈なインパクトを持たせるトラックとなっている。

EPのフロント・ジャケットのアートワーク/レーベルのロゴデザインは、東京(終点)とハワイ島(原点)を10年以上行き来する中で学んだ自分の本当の生き方を表現するために、旅と絵を描き続けているイラストレーターのSHINOZAKI HILOSHIが手掛けた。

そして、Ioriとレーベルの最初の一歩は、彼の人生のパートナーであり、彼の一番の理解者であるグラフィックデザイナーhiroによるレコードのラベルデザインとアートディレクションよって補完された。コンセプトテキストである「Is your window open?」がhiroの手により明確にラベルデザインとして具現化されており、今後のレーベル自体の表現の基盤かつ、未来への礎を示す一つの形として示されている。

総じて、Iori Wakasaの新プロジェクトは東京の音楽シーンに新しい風をもたらすものとなるだろう。”BOTANICA”を通して、彼の深い哲学や感性に触れ、新しい音楽の世界へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

『BOTANICA EP』はこちらより視聴可能。

RELEASE FORMATS:

Label: BOTANICA

Catalogue no: BOTA001

Artist: Iori Wakasa

Title: BOTANICA EP

Release Date: 2023.09.15

Format: 12inch Vinyl

Label website : https://botanica.buyshop.jp

TRACK LISTS:

A: The Pure Land (Original Mix)

AA: Lunar Down (Original Mix)

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