Kristian Riis: 何もしないよりも、試して失敗する方がいい。

ロックスターから都市ビジョナリーへ:Kristian Riisが音楽、文化、そして都市開発について語る

Interview: Nick Clarke

クレジット:VOLCANO

今回のインタビューでは、デンマークで活躍する著名なミュージシャンであり文化起業家のKristian Riisは、彼のバンドNephewでのロックの活気ある世界から都市イノベーションの領域へと進化した経緯を明かします。NordicLAのブレインとして、Riisはアーティストとビジネスの間の国際的なつながりを築いています。VOLCANOでは、音楽のリズムを都市開発に統合し、Home.Earthでは持続可能な都市コミュニティの創造を推進しています。

Riisは音楽と都市計画の間にある相乗効果について深く掘り下げ、都市景観に活気と接続性を注入することを目指しています。彼はCOVID後のコミュニティビルディングと社会問題への対処における音楽の重要な役割について語ります。Kristian Riisはまた、彼の日常生活と将来の目標について深く共有し、彼が都市文化のイノベーターとしての役割と彼の音楽的ルーツをどのように融合させているかを明かします。

ロックから都市および文化開発における先駆者としてのKristian Riisの旅を探求し、音楽がコミュニティを結びつけ変革する力を強調します。

―始めに、もうご存知かもしれませんが、最近Shain Shapiroとのインタビューを公開しました。彼をご存知ですか?


Kristian Riis:

はい、Shainを知っています!実際、私たちは似たような仕事に取り組んでいます。私も音楽と文化を使ってより良い都市を作るのに役立てています。現在、私の主な拠点はコペンハーゲンです。ほとんどの時間をそこで過ごしていますが、現在でも色々な場所を行き来しています。最近、ブータンで4週間の刺激的な時間を過ごしました。新しい市場を調査することは私が本当に楽しんでいることの一つです。

私はアメリカ、特にL.A.が好きですが、COVID後には多くのことが大きく変わりました。コペンハーゲンは生活の質が魅力的です。素晴らしい拠点であり、アジアとアメリカの両方への旅行に適した位置にあります。しかし、本当に重要なのは、どのようにしてより良い都市を作るかです。私たちは協力して重大なグローバル問題に取り組む必要があります。そして、文化と音楽をこれらの問題に取り組む強力な要素と考えています。Shainの仕事を非常に高く評価していますが、私のアプローチは音楽だけに限定されず、もう少し幅広いものではあります。しかし、音楽は人々を一つにし、結束を促進する上で重要な要素です。


―あなたの仕事と音楽における動機の本質を共有できますか?

Kristian Riis:

まず、私はミュージシャンとしての活動を始めました。私はデンマークのロックバンド、Nephewの一員です。私たちは27年間活動しており、11回のデンマーク・グラミー賞を受賞し、大きなステージでヘッドライナーを務めました。ステージに立ち、音楽を作ることは、いつも私の時間の大部分を占めています。時々、オフィスで、「今日私は何をしたのだろう?たくさんの会議をしたけど、実際に成し遂げたことは何だろう?」と考えます。しかし、音楽を作るとき、私はそんなことを考えたことがありません。創造的であり、音楽を作ることは私にとって理にかなっています。だから音楽を作っているんです。

ビジネスに関して言えば、私の働き方は非常に私の価値観に基づいたものになっています。現に私は今48歳ですが、もしかすると、歳を取るにつれて世界で何が起こっているのか、私の心を占めるようになるのかもしれないとも感じています。そして、音楽と創造性が解決策の一部であるとも信じています。それが唯一の解決策ではありませんが、重要なカードです。

学術的な事に関しては、エンジニアなどの仕事は素晴らしいと感じます。しかし、物語で心を狙うとき、音楽、創造性、芸術、文化はおそらく最も非常に強力なツールです。あなたがアーティストのファンであるとき、それはなぜか、どのようにかを説明することではありません。それは純粋にフィーリングなのです。あなたはファンであり、そのことを正しいと感じるのです。もし私たちが良い変化を促進し、創り出したいのであれば、心に訴える必要があります。個人単位ですが、私はそのアジェンダに貢献しようとしています。例えばVOLCANOでは、「Royalties」と呼ばれる教育プログラムを持っており、若い音楽および文化起業家を教育しています。

しかし、私はビジネスマンでもあり、私たちは皆お金が必要です。この世の中を回し続けていかなければなりません。しかし、同時に何か良いことをすることが私にとって非常に重要なのです。

Nephew - Kristian Riisのバンド

―ビジネスの文脈で、特にあなたの業界で志を持つ人々にとって有益かもしれない挑戦について共有できますか?それらの挑戦をどのように克服しましたか、そしてそれらの挑戦を克服したことの価値や影響は何でしたか?

Kristian Riis:

私の人生の早い段階で、そして私が知っている多くの人々に共通していることですが、私たちは挑戦や状況を過度に考えがちです。私はただ物事を行うことの大ファンです。何もしないよりも、試して失敗する方がいいと常に思っています。大きな失敗よりも小さな成功を目指しています。私たちは一度しか人生はないので、物事に積極的に取り組むことが、私にとって経験と見識を築く上での視点を与えてくれます。

具体的な挑戦について話すと、例えば私のビジネスの一部分は音楽と創造性を使ってより良い都市を作ることです。不動産開発者がしばしば文化や創造性を投資収益の追求による口実と考えることに直ぐイライラすることもありました。しかしそれよりも、「クリエイティブ・プレイスメイキング」と呼ばれるものの背後にビジネスモデルを構築する作業に取り組んでいます。音楽と創造性を単なる娯楽やおまけと見なすのではなく、私たちがもたらす価値を理解させるために、数字を利用するのです。もし彼らが芸術、音楽、創造性を使用しない場合、実際に投資収益が小さくなるリスクがあることを開発者に示すビジネスモデルを開発しています。

人々の視点から世の中を見るように努め、その視点を通じて行動するこのアプローチは、私にとって重要な学びでした。若い頃はもっと攻撃的で、「うんざりだ。不動産開発者は何も理解していない。」とも思っていましたが、今はもっと対話に参加し、彼らがどのように考えているかを理解した上で、彼らの分かる言葉で話しています。


―私の理解では、不動産では財務的な側面があり、その後には地方自治体がルールを設定し、住民が自分たちの環境について心配する事があるかと思います。しかし、それらをすべて結びつけるのが文化で、その事は魅力的です。それは接着剤の役割を果たしますが、実際に測定するのは難しい。ですから、彼らの言葉でこれを彼らに伝えようとしているのですね?

Kristian Riis: まさにそうなんです。不幸なことに、今日の不動産業界では、素晴らしい家を作ることよりもお金を稼ぐことがより重要です。少なくとも開発者の観点からはそうです。住民は素晴らしい家を望んでいますが、開発者にとっては、投資家への最大の投資収益を提供することが彼らの主な目標です。投資家からの資金調達を継続させるために不可欠ではあります。

開発者に文化と創造性を統合することも良いビジネスであることを示すためのツールを提供することに取り組んでいます。私が言及したように、何かを成し遂げたい場合は、対話が重要です。人々がどのように考えているかを理解し、彼らが必要としているものを提供することです。私たちは、人々がより大きな規模でどのように反応し、行動するかを理解するためにデータを使用します。

コペンハーゲンに拠点とする私の会社、VOLCANOは技術的な人類学者達と協力しています。彼らはソーシャルメディアデータや他のオンラインリソースをネットでスクレイピングし、より広い視点から人々がどのように考えているかを学びます。私はこのオンラインデータを使用するだけでなく、街に出て人々に会い、実際に何に取り組んでいるのかを理解することが重要であると考えています。


このアプローチは万能です。どんな状況でも適用できます。しかし、何かを成し遂げたい場合、プロジェクトや課題を他者の視点から理解することが不可欠です。基本的な事のように聞こえますが、成功への鍵はこの基本にあります。

クレジット:VOLCANO

―数字に重きを置いている人々に文化の考え方を取り入れるというあなたの視点を聞くのは興味深いですがまだまだ難しい問題ですよね?このアプローチの明快さと適用出来る問題の範囲を考えると特にそう思います。


Kristian Riis:

一般的にCOVIDについて肯定的なことを見つけるのは難しいですが、もしそれがあるとすれば、それはCOVID後に音楽、劇場、フェスティバルなどの文化的アウトレットへの新たな評価です。デンマークでは、人々はもはや室内に留まりたくありませんでした。彼らは外に出て、誰かと一緒にいたいと思っていました。そして文化的アウトレット、コンサート、劇場、美術館、それらが彼らが会う場所です。以前は、「これらがあるのはまぁいい事だよね」としか思っていませんでした。しかし今、私はノルディック諸国では、文化が良い生活にとって必需品になっていると感じています。私たちはそこにお金を使い、そこで集まります。それは不可欠であり、人々はそれに気づき始めています。そこで私たちは今、文化をビジネス、商業的実体として話す良い機会にあると考えています。もちろん、それらは娯楽とは言えますが、またビジネスでもあります。もはやそこまで「クール」ではないブランドでさえも、クールになりたい場合は音楽や文化と提携します。

―COVID前は音楽が私にとって仕事のようになっていました。しかし、ロックダウン中に、私は音楽を再び心から愛するようになりました。私たちが達成したことを再評価する機会を与えてくれました。コロナ禍以前は全てが速く動いていたため、それについてあまり考えていませんでした。

今では、彼らが楽しんでいる限り他の人々が何を聴いているか、何をしているかは気になりません。その態度の変化は、それ以来私がより認識していることです。彼らが楽しんでいて、安全であり、オンラインでもオフラインでも互いに交流し合っていること自体が重要だと感じます。


Kristian Riis:

はい、私たちは孤独感が増加しているというグローバルな傾向を目の当たりにしており、精神健康が大きな問題になっています。特にアメリカでは、問題を直接的に扱うのではなく、より多くの人々が薬を服用しています。Royaltiesの教育プログラムでは、音楽家や文化起業家を教育する際に、精神健康に焦点を当てています。多くのアーティストがこれらの問題に苦しんでおり、音楽はしばしば彼らのはけ口になります。

多くの若いアーティストは、クールで全てをコントロール下に置いているように見せなければいけないプレッシャーを感じています。しかし、最近のミュージシャンに関するドキュメンタリーでは、それが厳しい仕事であり、これらの課題について話し合う必要があることを浮き彫りにしました。そうしなければ、薬物乱用や他の問題につながる可能性があります。しかし、若い世代が精神健康の問題について話し合うことによりオープンであることに勇気づけられています。このオープンさはより多くの問題が顕在化するかもしれませんが、長期的には有益です。

音楽と文化は、一体感を育む上で重要な役割を果たします。孤独を感じている場合、コンサートに参加することや文化活動に従事することは、強力で重要なものになることがあります。より良い生活を作り出すために不可欠なのです。

―オンラインでのやり取り、今行っているWeb会議も孤独感に対して影響を与えることができます。コロナ禍以前では、このようなWeb会議はごく稀で、一生に一度あるかないかのことでした。特に音楽家にとって、今日の世界での接続の重要性を理解することが重要だと考えていますがどう思いますか?

Kristian Riis:

同意します。教育における私たちのアプローチでは、特にデンマークでは公的資金が重要な役割を果たすことを考慮して、学生たちに起業家精神を育むことに重点を置いています。私たちは彼らに、財政的に実行可能でありながらも社会に積極的に貢献するパートナーシップを結ぶ方法を教えています。


私たちの主な実践の一つは、若者たちを新しい都市エリアでイベントを組織する都市計画プロジェクトに参加させることです。これは、理論的な学習だけでなく、実際の仕事の機会を彼らに提供することを意味します。このアプローチは、彼らを閉じた学術環境から一歩外に出し、社会に積極的に参加させるのに役立ちます。


若い人たちは学ぶべきことがたくさんありますが、彼らも貴重な知識とスキルを持っています。私が年を取るにつれて、私のライフスタイルは変わりました - 私は以前ほど頻繁に外出しません。それとは対照的に、私の学生たちは常に最新の技術を活用し、新しいトレンドに追いついています。それは非常に刺激的です。彼らは新しい技術や文化の変化に迅速に適応していると言えます。


彼らの若々しいエネルギーと私たち教育者の経験の組み合わせは、強力なシナジーを生み出します。一緒に成し遂げられることは素晴らしいです。このダイナミクスに対して大きな尊敬を持っており、互いに学ぶ過程を強く信じています。それは若さと新鮮なアイデア、ノウハウと経験のブレンドです。

この協力関係は、私たちが協力する都市を変革する上で極めて重要です。都市と私たちはお互いを必要としており、それは真のパートナーシップです。

「逆メンタリング」のような概念をこの文脈でよく考えます。私が出会うすべての人は、私に何か新しいことを教えてくれます。この倫理は、COVID中にオンラインライティングゲームを作成したとき、特に私たちの仕事の中心でした。現在、私たちはグローバルにリーチを広げ、新しい才能を探し、より多くの機会を探求しています。


私はブータンへの4週間の旅行から戻ったばかりです。私の友でもあるブータンの王に招かれました。ブータンはインドと中国の間に挟まれた小さな国です。側から見ると驚くべき地理関係でしたが、そこでは若いアーティストたちに会い、いくつかの現地の言語の音楽を聞くことが出来、素晴らしかったです。例えれば誰も知らない金脈を見つけたようでした。


私は何が待っているかも予測せずに現地に行きました。しかし、オープンになり、聴いて理解し、音楽を書く方法について新しい視点を得ることは、私が誰であるかを理解する上で本当に重要です。世界で最も人口の多い2つの国の隣にいるブータンにいることは、デンマークが実際にはかなり小さいことを理解するのに役立ちました。たったの600万人です。

クレジット:Dhendup Tsherang

しかし、私はコペンハーゲンとデンマークが好きです。なぜなら、地理、人工などの規模の大きさにかかわらず、音楽、デザイン、映画、テレビ、建築などで強い歴史を持っているからです。世界で最もクリエイティブな場所の一つです。しかし、やはり世界と比べると、私たちはまだまだ小さいです。ですから、私が誰であるか、そして私たちが誰であるかを理解する方法は、外側の視点から私たちを見ることです。人々と話をし、彼らが世界をどのように見ているかをできるだけ理解します。もちろん、私は白人の男性で、40代後半なのは一目瞭然です。


よって、学び、旅をすることは重要なのです。たとえば、南アフリカを取り上げると、私はそこに何度も行き、現地のテクノ音楽を聞いたり、そこの子どもたちと仕事をしたりしていました。それは非常に刺激的でした。そして、旅をする事自体の特権が何を意味するのかを実感しました。世界中の人々を呼び起こすことで、私が行う仕事に価値を生み出します。これはデンマークに持ち帰ろうとしている事です。


世界中の人々に話を聞くと、「世界の中心はどこですか?」と尋ねると、一般的に人々は「ここです、私がいる場所です」と答えます。なぜなら、それがあなたが自分の目を通して外の世界を見る方法だからです。しかし、他の人々の目を通して見ることを試みることも非常に価値があります。そして、何より学びがあり楽しいので人々にはそうするよう勧めています。外に出てみるか、今私たちがしているようにオンラインで試してください。

以前は、LAで多くの物理的なライティングゲームを行いました。COVID中はオンラインでそれを行い、突然、南アフリカ、ドイツ、イギリス、LAからの人々が同じライティングキャンプに参加していました。だから、それを行う多くの利点があります。それは物理的な近さだけに関するものではありません。それはまた、外に出て、異なるコミュニティに関与し、研究することなのです。オンラインでもこれは行うことができます。実際、私の旅行によるCO2フットプリントを考えると、これを非常に意識しています。正直なところ、私の旅行は私の最大の個人的な問題です。それは難しいバランスですが、特に気候変動に関する大きなアジェンダに役立っていることを願っています。例えば、私たちはブータンから多くを学ぶことができます。ブータンは世界で唯一のカーボンネガティブな国です。

―私が考えた質問にはほとんど答えてしまいましたがあなたの日常生活についても聞きたいのですが日常のルーティンはどういったものがありますか?


Kristian Riis:

私の日常や週ごとのルーティンとしては、柔軟性を持って異なる状況に身を置くことで大きなエネルギーを見出しています。個人的に、ルーティンというもの自体、私にとってうまく機能しませんので、それを破るように努めています。

私は今デジタルノマドの概念を探求しており、「クリエイティブノマド」に似た何かを開発しています。しばしば、クリエイティブな人々は作業にツールが必要です:音楽家にはスタジオセットアップやギターが必要で、画家には作業スペースが必要です。特にポストCOVID時代には、対面での会議が最も価値があると考えています。しかし、昨今の技術が与える柔軟性も評価しています。

日常的には、コペンハーゲンにオフィススペースがあり、私のチームはそこを拠点にしていますが、彼らはどこからでも働く自由があります。私は彼らに週に約2日はオフィスにいるように奨励しています。そうすることで、一緒に会社やアイデアを発展させる時間を持つことができます。現在、私はコペンハーゲンに住んでおり、通常は朝に自転車で出勤します。車も持っていますが、コペンハーゲンは自転車に優しい都市です。

―そこはあなたの世界の中心なのだと思います。皆口を揃えてコペンハーゲンについて挙げることですから(笑)

Kristian Riis:

はい。LAといえば自転車ではありませんので(笑)

LAでは危険過ぎます。遠出するときは車を使いますが、それ以外は毎日自転車です。大好きですし、私の友達も、ここではみんな自転車に乗っています。だから、雪が降ろうが雨が降ろうが、街中を自転車で走ることはとても重要です。ここではそうやってやるんです。

しかし、それ以外だと、たくさんの会議があります。少し多すぎるかもしれませんね。でも、言ったように、会社のCEOとして、ビジネスを前進させ、取締役会と協力して戦略に従うことが重要です。私は、世界をより良く変えるための私のビジョンを売り込んでいます。

通常、日中は仕事をしています。例えば、数週間南アフリカに行く予定です。そこからリモートで仕事をしますが、同じタイムゾーンなので、比較的簡単です。私の一日は、オンライン会議、対面会議、多くの戦略作業で構成されています。


今日のような日は、実際には非常に異なる部分で構成されています。私の会社の経営陣で戦略会議があり、今はこのインタビューをしています。そして、遅い午後には、デンマークのラッパー、Carl Knastとスタジオで仕事をします。私にとって、これもルーティンを変える一つの方法です。27年間ロックバンドにいましたので、実際にヒップホップを書いて彼とパフォーマンスすることは、私が愛してやまないことです。そして例えば昨日は、ギターを録音しました。先にも述べましたが、音楽は私にエネルギーを与えてくれるのです。

ビジネスパーソンでありながらもクリエイティブであることは矛盾しません。ただ時間を計画する必要があります。さもなければ、ビジネスに飲み込まれてしまい、すべての時間を機会作りに費やしてしまうでしょう。そのバランスを見つけることが非常に重要です。トラックを作成するかもしれませんし、しないかもしれませんが、音楽のための時間も確保しなければ、ビジネスの部分に全て飲み込まれてしまいます。それは年月を経て学んだことです。

Sonam Wangchen - ブータンのポップアーティスト

―クリエイティブ・ノマドであると言及して以来、ずっと考えていたのですが、インスピレーションを受ける必要がある時、人々と一緒にいる必要がある時、そして計画を立てるための時間が必要だと言えますか?これらの要素が全て何かに結びついて出力を生み出しているように思えます。しかし、計画を立てる部分も同じくらい重要だとも言っていますね。

Kristian Riis:

はい。上手く流れに乗るためには、まず計画が必要です。この世界には非常に多くの雑音があります。何かを成し遂げたい、創造的でありたい状況にいたいのであれば、実際には計画のための時間を確保する必要があります。多くの人々があなたを様々な方向に引っ張ろうとし、あなたの時間を使おうとします。まずはそれに気づくことが重要です。そうでなければ、この創造的な空間や瞬間に入り込む事が難しくなるかもしれません。

ですので、ノマドとは言いましたが、私には家があり、まだ基盤があります。今はコペンハーゲンです。私はデンマーク人なので、ここには友人や家族がいます。私にとって意味があります。しかし、ノマドにとっても、家と呼べる場所を持つことは重要だと思います。人によって異なりますが、私は、家と呼べる場所を持ち、そこから始める必要があると考えています。

―近い将来から中期的な将来にかけて、あなたの目標は何ですか?

Kristian Riis:

異なる目標があります。しかし、まず第一に、インタビューの冒頭で言ったように、私の心を大きく占めているのは、私たちが無視できないいくつかの大きな問題です。将来の世代のためだけでなく、現在も、私たちはどのような世界に住みたいかを考える必要があります。先ほど言及したように、ブータンに行ったばかりです。山に立って、すべての山頂を見ていました。そこにいた人々は、以前はもっと多くの雪があったと私に言いました。ブータンは非常に清潔で汚染のない国ですが、気候変動は現実のものです。ブータンのような手つかずの場所でさえ、起こってしまっています。

もちろん、それを無視することはできません。再び言いますが、私はエンジニアではありません。はい、大学の学位は持っていますが、文字通りの意味で学者ではありません。私ができることは、音楽と文化を通じて貢献することです。人々を一緒に動員し、共有経済で協力し、異なるセクターを横断してより良い世界のための解決策を考え出すこと。それが私の全体的な目標です。

より具体的には、中東で起こっていること、そして今やヨーロッパでウクライナとロシアの間で起こっている戦争のような、世界中の危機を考えると、対話を促進したいと思います。以前述べたように、対話は重要です。VOLCANOで行っていることは、コミュニティを構築し、団結を生み出し、そのアジェンダを推進することです。それが私の最大の貢献です。具体的には、来年もデンマークとノルディック諸国での作業を続け、人々を一緒にするイベントを作り出します。

また、ブータンでいくつかのプロジェクトを行います。本当にその国を愛しており、特に音楽において多くの才能があります。そこでアーティストたちと異なるライティングキャンプを計画しており、それにとても興奮しています。

これらは近い将来のいくつかの目標です:人々を一緒にし、団結を生み出し、デンマークと国際的に私たちが日常生活で取り組んでいるいくつかの重要な問題に取り組むことです。

もし読者の方々がノルディック諸国、LA、ブータンで何が起こっているのか疑問に思っているのであれば、私たちの仕事をチェックしてみてください。文化と音楽を異なる文脈に置き、商業の種として変化を生み出すことが私たちの目標です。私たちにとって、それは単に娯楽ではありません。実際には団結を生み出し、願わくば世界を少しでも良い場所にするために貢献するツールです。


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