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MIXMAG

BUDXTOKYO Day2 【レポート】

Warehouseでカルチャーが交差する日。Day 2

8月29日~31日まで、CROSS DOCK HALL HARUMI(勝どき)にて開催された、「BUDXTOKYO(バドエックストウキョウ)」。この記事ではDay 2の模様をレポートする。Day 1の様子と本イベントの概要については、以下を参照していただきたい。

BUDXTOKYO Day 2

Good Vibes.
この日もトークセッションからスタートした。登壇者は、LA拠点のプロデューサー / DJにして2日目のヘッドライナーMija(ミーハ)と、台湾出身のモデル / スタイリストのMedusa。2人とも生業を別に持ちながら(DJとスタイリスト)、アパレルのデザインなども手掛けている。Mijaのコレクションはコチラから、Medusaのコレクションについてはコチラから、それぞれチェックできる。
BUDXTOKYO
ステージ向かって左からMedusa、Mija
原宿は、私が世界で最もインスパイアされる街のひとつよ。

Mija

DJ / Producer

音楽とファッションの関係性の話を中心に展開されたセッションだったが、最も印象的だったのは、2人が揃って「インスパイアされる場所」として挙げたのが原宿であった点である。世界で活躍するクリエイターの目から見ても、原宿は異質な街として映るようだ。

「少し奇抜すぎるかも?って思える格好でも、原宿では全然許される。この街にはファッションに関するルールみたいなのが存在しなくて、みんなが様々なテイストの服を楽しんでいるように見えるわ」。セッション中のMijaの言葉だが、ポーター・ロビンソンもかつて同じようなこと言っていた。“裏原系”など、以前は明確に原宿を体現するファッションがあったものの、確かに今のこの街にはテンプレートはないかもしれない。オタクもモードもストリートも、多種多様なカルチャーを飲み込んだ街。音楽やファッションに限らず、イノベーションはそのようなカオスから生まれることがある。
BUDXTOKYO
さて、いよいよギグの時間だ。様々なジャンルのアーティストがラインナップされると、当然オーディエンスも様々な層から集まる。BUDXTOKYO Day2にラインナップされたのは、80KIDZにSeiho、そしてMija。いずれもベクトルが違う3組であるが、不思議と3日間の中で最も同じ指向性のサウンドが鳴っていたように思う。めくるめく現行テックハウス。

HOUSE, RAVE, DAY2

Neo Disco & Tech House
BUDXTOKYO, mixmag

80KIDZ

BUDXTOKYO

Seiho

BUDXTOKYO

Mija

トップバッターは日本のDJデュオ、80KIDZ。彼らをエレクトロユニットとして認識しているオーディエンスは多いかもしれないが、最近のモードとしてはかなりテックハウスに寄っている。DJ DARUMA (ex. DEXPISTOLS)やEd Bangerの面々など、2000年代のエレクトロ界隈で一世を風靡したアーティストの現状を考えても、この遷移には正当性があるように思われる。目下「EDMに取って代わるか?」と噂のテックハウスだが、このBUDXTOKYOでも高らかに鳴り響いていた。

シーンのキーパーソンであるBoston Bunの「Don’t Wanna Dance (Novodor Remix)」、Green Velvetの「Answering Machine (Coyu Remix)」などを繋いでゆく。いずれも原曲でないところがトリッキーだ。終盤にかかった自身の楽曲「I Got a Feeling feat. Benjamin Diamond」(2014年リリースのアルバム『FACE』に収録)も、限りなく2019年風にアップデートされている。

80KIDZ

I Got a Feeling feat. Benjamin Diamond (80KIDZ Jetsetter’s Acid Mix)
続いて、Seiho。DJ Setではあったが、彼のミックスの仕方はかなりLive Set的である。Pioneerのリミックスステーションを巧みに操り、音のテクスチャーを即興的に変形させてゆく。ビートも4つ打ちだけでなく、実に様々なパターンが鳴っていた。彼の凄さは、本来ならば大味に聴こえるはずのミックスがソリッドかつストイックな印象をもたらす点である。…と、思う。Warp Recordsのミュータントなノリでビリー・アイリッシュの「bad guy」をかけるというか、何となくそういうニュアンスだ。終盤には立て続けに彼のオリジナルトラックの応酬があったが、まさに圧巻。Daphniの「Tin」から自身の楽曲「I Feel Tired Everyday 」へ繋ぎ、「KOI」に触れ、ラッパーの5lackとの新曲「Wareru」で再びフロアを上げてゆく。動と静、陰と陽を軽やかに往来し、大いにオーディエンスを沸かせていた。Mijaを目当てにやってきた外国人も「彼は凄いね!」と興奮気味に称賛していたのが、今も強く記憶に残っている。

Seiho /
Wareru feat.5lack

最後に登場したのはMija。トークセッションに引き続き、DJでも大活躍である。いやはや、彼女はシンプルにDJが上手い。ミックスの技術は3日間の中のラインナップで考えても特に優れていたのではなかろうか。「jacking house set」と銘打たれた今回のDJは、文字通りレイヴィーなハウスを中心に展開された。
つまみ(エフェクト)もフェーダーもフル活用。恐らく彼女の頭には楽曲の情報が小節ごとにインプットされており、繋ぎ部分は美しさを感じるほど完璧であった。上の動画をご覧いただければ分かるが、音の組み合わせ方にも妙技が感じられる。しかも局地的にでなく、全体的に優れているのであった。たとえばFlight Facilitiesの「Stand Still (Mario Basanov Remix)」からYaejiの「Raingurl」への繋ぎ(上の動画では42分ぐらい~)は、彼女の技のハイライトだろう。

彼女が本格的に台頭してきたのは2015年前後である。ヨーロッパでは“EDM”に対して最も風あたりが強かった頃だ。1本WAVでDJをするパフォーマーを揶揄して、「ボタンプッシャー」なる言葉も誕生した。その状況を横目に見ていた若いDJたちは、粛々と技術を磨いていった。Mijaもその一人だったのかもしれない。この日の彼女のDJは、完全に次世代の才能を感じさせるものであった。フロアには若いオーディエンスの姿も多く見受けられ、晴海の町はずれには新しい風が吹いていた。
BUDXTOKYO

Mija from US

■ BUDXTOKYO
日時:2019年8月29日~8月31日
場所:CROSS DOCK HALL HARUMI(東京都中央区晴海4-7-4)
8月30日(金)
【DAY PROGRAM】18:20~ Mijaが語る、 DIYのストリートファッションとイノベーション 出演/Mija, Medusa
【NIGHTTIME PERFORMANCES】 出演/MIJA、SEIHO、80KIDZ

 

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