Rob Smith: 私たちが焦点を当てるものが、私たちに引き寄せられるものです。

Rob Smithの音楽と人生の旅について

インタビュー: Félicie Zufferey

ブリストル出身のRob Smith(RSDの名義でも活躍)は、Smith & Mightyとしての役割で音楽界に不朽の足跡を残しました。レゲエとダブへの情熱に火をつけられた彼の旅は、絶え間ない好奇心に導かれ、新しいジャンルを探求し続けています。

このインタビューでは、Rob Smithが彼の音楽のオデッセイについて語り、乗り越えてきた障害や人生に対する見解を振り返ります。Robが音楽業界のダイナミクス、旅行への愛、そして日本との深い繋がりについて語る様子をご覧ください。彼の言葉を通じて、ポジティブさと感謝に焦点を当てた彼の指針となる哲学を垣間見ることができます。これが彼の人生の挑戦と機会へのアプローチを形作っています。

──あなたはSmith & Mightyで特に音楽業界に独自のサウンドとスタイルを確立する上で重要なパートを果たしてきました。これまでの音楽に関する旅路について簡単に教えていただけますか?

音楽に対する情熱は覚えている限りずっと感じていましたのですが、実際に音楽を作り、プロデュースしたいと思ったのは、レゲエとダブミュージックを発見したときでした。

できるだけ早くバンドにも参加しましたが、最終的には録音や音作りに興味があることに気付きました。

古いテープレコーダーを集めて、さまざまな音響機器を使って実験しました。80年代にRay(Mighty)に出会い、私たちは共にドラムマシンとシーケンサーに興味を持っていました。

特にそれらの機材を同期させる方法に魅了されました。当時比較的新しい技術でっもありました。多くの時間を費やして実験を重ね、最終的には自分たちの気に入ったサウンドを見つけました。ヒップホップのビートとレゲエのベースライン、クラシックなボーカルを組み合わせたようなものでした。私たちが育つ過程で聞いてきた音楽に影響を受けて出来たものです。豪華なストリングスを持つソウルミュージック、レゲエ、パンク、そしてポップミュージックでさえもです。

Grant(Daddy G)は、ブリストルのRevolver RecordsのディストリビューションにいるLloydという男を紹介してくれました。Lloydは私たちのデモを聴き、独立レーベルでのレコードリリースを手伝うことに同意しました。

80年代のRob Smith

──困難を克服することが成功と同様に私たちの道を定義します。初期の頃を振り返ると、どのような重大な課題に直面し、それらをどう克服しましたか?

Rayと私は最初から本当に幸運でした。物事は順調に進み、私たちは名を上げ、レコードもよく売れていました。いくつかのレコード会社からレコード契約のオファーを受け、最初は躊躇していましたが、当時のマネージャーに説得されて契約することにしました。

しかし、物事はうまくいかず、大手レコード会社との嫌悪しあう夫婦のような関係に陥りました。それはとても憂鬱な時期で、レーベルに理解されていないと感じ、5年間の困難な期間を経て契約を解除されました。

しかしそれを私は機会と捉えました。独立し、”More Rockers Records”という音楽レーベルを立ち上げ、最初のアルバム「Bass Is Maternal」をリリースしました。


──現在はどうですか?変化の激しい業界で、アーティストやプロデューサーとしてどのような課題に直面し、トレンドや技術の急速な変化を考慮しながら、どのように音楽でのレピュテーションと創造性を保っていますか?



今ではあまり心配しなくなりました。音楽を主な職業として続けられることに非常に感謝しています。業界も音楽技術も常に変化していますが、音楽を作り売る基本の流れは変わらないように感じます。

音楽制作に対するアプローチもあまり変わっていないと思いますが、各プロジェクトは前回のプロジェクトから一歩進んだものであると今でも感じます。素養はレゲエとダブのレコードを聴くことから始まりました。音楽制作には「ダブの姿勢」で取り組むようにしています。私はレゲエの「純粋主義者」ではありませんが、レゲエの影響を多くの制作をする中で感じます。

サウンドシステム文化は基本的には昔と変わらず、アンダーグラウンドから新しいサウンドやスタイルが生まれ続けています。

Rob Smithのディスコグラフィー

──ツアーや創作活動が忙しい中で、自分を落ち着かせ、創造的であり続けるためのルーティンや習慣はありますか?

音楽以外にも、私のもう一つ愛してやまないのは旅行です。音楽のキャリアの中に両方が含まれていることは非常に幸運です。

2020年にはツアー中にニュージーランドで国境が閉鎖され、COVIDのためにニュージーランドに取り残されました。パンデミックは皆の生活に影響を与えましたが、私にとっては大好きな旅行が中断されることを意味しました。人生は驚きに満ちており、ニュージーランドに3年間滞在することになりました。良い人々と出会い、共にJafa Soundというレコードレーベルを立ち上げました。

今は北半球に戻り、これから予定している2024年の旅行達を日々楽しみにしています。

現在Rob Smithが住んでいる、Clevedon, UK(イギリスのクリーブドン)

── 現在、あなたにインスピレーションを与えている音楽トレンド、ジャンル、アーティストはいますか?最近のプレイリストにはどんな音楽が入っていますか?


新しいジャンルが出てくるたびに興奮します!特定の音楽スタイルがどのように進化してきたのか、その歴史を振り返るのは興味深いですね。

最近では、特にCloudcoreレーベルからのミニマル2ステップサウンドに非常に興味を持っています。また、ニュージーランドで出会ったPaige Juliaの素晴らしい音楽や、Metal Headsからの新しいGyrofieldのアルバム、オーストラリアのFixed Errorの最新アルバム、Ash Walkerの音楽も聴いています。

──今後の目標や抱負は何ですか?現在興奮している新しいプロジェクトはありますか?

最近、新しいビデオゲーム「Zero King」の音楽を制作しています。これは私にとっても新鮮な作業プロセスを含んでおり、とても楽しいです!

──日本についての考えと、それがあなたの音楽やキャリアにどのように影響を与えたかについて教えてください。


1996年にPeter RoseとJah Shakaと一緒に初めて日本に来ました。この経験が私の人生を変えたと本当に感じています。当時、ヨーロッパの視点だけでなく、もっと全体的な視点で世界を見るためには、深い文化を学び、理解しようとすることが重要だと感じました。

しかし同時に、それまで経験したことのない全く異なる環境に身を置くことは素晴らしいことでした!

それ以来、何度も日本を訪れ、多くの本当の友人を作ることができて幸運です。2020年に亡くなったDisk Shop ZeroのNaoki Iijimaは、私のキャリアにおいて大きな助けとなり、多くの人々を紹介してくれ、重要なつながりを築く手助けをしてくれました。また、彼は私を彼の家族の一員として迎えてくれました。

ニュージーランドのBethells Beach - 撮影: Conan Fitzpatrick

──最後に、読者に一つアドバイスをお願いします。

時には心配や不安に気を取られがちですが、望む良いことに焦点を当て、既に持っている良いことに常に感謝することが最善です。

誰かが一度、心配するということは望まないことを祈るようなものだと言っていました。私たちが焦点を当てるものが、私たちに引き寄せられるものです。

また、長年にわたり私たち(Smith & Mighty)の日本でのキャリアを支え続けてくれた友人、高山 康志さん(Rush Production)に特別な感謝を伝えたいです。ありがとうございます!

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